エコールミューレの大事なコンテンツとして、「お金の教育」を挙げています。わたし自身も、自分がフリーランス→法人化を経て、ようやく本当にお金のことが少し分かりました。
今のミューレ(根洗町)を買うにあたり、借金をしてみて、「投資」ってことが本当の意味で分かった気がします。
といっても、思い起こしてみても、何をどういう順番で学んだから、はい、分かりました、ってわけじゃなくて、「わっ、こういう場合、どうしたらいいんだろう?」って調べまくって、時には失敗もして、徐々に、「なるほど、こういう風に使うんだな」ということがようやく少し理解できた、という感じでした。
だから、子どもたちにお金のことを教えるといったって、何からどう教えたらいいのか、カリキュラムみたいなものが頭に整理されているわけではありませんでした。
一応、あちこちのサイトや書籍を参考に、AIにも相談して、分かりやすくまとまったものは作りました。
けれど、泥くさく学んできたわたしには、どうも整理されすぎているようで、「ほんとのこと」って感じがしませんでした。
今日は、とりあえず、子どもたちのプロジェクトを実行するための予算の立て方を教えてみました。子どもたちが書いたものを、どうすればもっと分かりやすくなるか考え、表にしてみました。
まぁ、これで、予算表はそれなりに書けるでしょう。
問題はひとつ。
子どもたちがまったく自分ごとと思っていないということです。あくびをして、寝転んで、ダラダラして、話し合いも進まない。明らかにつまんなそう。
おそらく、自分の懐がまったく痛まないし、お金をかけたところで、たとえばゲームソフトが手に入るとか、直接的に自分の利益に繋がらないから。
気を取り直して、お金のゲームをやってみることにしました。
年齢によって、おかねのすごろく、人生ゲーム、モノポリーで勝負しました。不可抗力のハプニングが起こるとはいえ、これらのゲームは、やっぱりお金のことが分かっていると勝てると思います。
子どもたちは散財したり、無茶な投資をしたり、オークションでとんでもない競りになったり、めちゃくちゃな展開になってて、何回か繰り返したら、一通りの流れみたいなものには慣れるかな、使いどころが分かるかな、って感じでした。
それより面白かったのは、他のゲームでは見られない展開があったこと。それは、負けた子がトイレとか機材庫とか、狭いところに閉じこもって泣いて出てこなくなったのです。悔しがり方や落ち込み方が、他のゲームとはちょっと違う。
こうして、お金の勉強第一回目は、なんか、あんまり手応えない感じで終わりました。でもまぁ、繰り返していき、試行錯誤をすれば、もっと面白くなっていくと思います。
・・・というところで、今日のところは終わるはずでした。
放課後、「ただいまラボ」という学童保育に残った子たちで、9/20に予定している、新しいミューレのオープニングセレモニーの企画会議を行いました。
成功基準について考えているときのことでした。
何人来てくれたら成功か、ミューレバザールの売り上げがいくらか、寄付金をいくら集めるか。
最初はまったく想像もついていないようで、「一億」とか「1万人」とか、現実味のない数字を言っていましたが、だんだん、「よく考えてみようよ、ミューレの人だよ?親が来て、子どもが二人くらいだとするでしょ?」と、子どもたち自身で少しずつ、数字の出し方のコツがつかんでいきました。
目標値を設定するにあたり、子どもたちから、ミューレに関わるお金の質問がいろいろ出てきました。
「新しいミューレって買ったの?」
「いくら?」
「こっちのミューレは売るの?」
「そのお金があればいいじゃん」
「でも借金だから返さないと」
「寄付っていくら?」
「こないだの名古屋に行ったのは全部でいくらだった?」
「でも、あれは親が出したでしょ」
わたしは、「数千万円」とか「全員で名古屋往復、チケット代を含めると5万円くらい」とか、「全国の100人の方が3,000円以上寄付してくださって、全部で60万円くらいだったかな」など、答えられる範囲で教えてあげました。
すると、子どもたちが
「えっ、待って、ヤバいじゃん!
ミューレ潰れるじゃん!」
「そうだよ。
さっきのモノポリーと同じ。
先生は、今のミューレを買うときに初めて借金をしてみて、いろんなことが分かった。それで少しだけ慣れて、じゃあ、次はもう少し大きな投資をして、やりくりするためには何をしなくちゃいけないかって考えてるわけ。何も考えずにいきなりいちばん高い土地を買ったら、さっき、負けたでしょう。でも、何も買わずにいても負けたでしょう。
先生は、ミューレをやりたいと思ったから、どうしたらできるか考えて、お金の生み出し方、使い方、借金の仕方を少しずつ学んでいったんだよ。やりたいことをやろうと思ったら、ただやる、じゃ済まないんだよ。
でも、恐ろしがって、何もやらずにいたら、一生、できないまま。だから、勉強して、どうするか、考えるんだよ」
「だからお金の勉強が必要なのか。
こないだやった、プロジェクトシートと同じだね。
ただやるだけじゃあダメだ。
ミューレが無くなったら嫌だから、ちゃんと考えないと」
そこから、「自分たちが作った野菜を売ろう!」ということになったので、「何も考えずにいると、農家さんが作った野菜と同じ金額では売れるはずがないけど、ひとつだけ、あんたたちの作った野菜に同じ金額を付けてもいい方法がある」といって、付加価値について考えさせました。
子どもたちは、「自分たちが作った、という写真を貼るのはどうか」、などのアイデアを出しました。
こんな風にして、「自分の何が価値になるのか」ということを、実践で学んでいき、実際のお金の価値に変換することができれば、将来、「稼ぐ」という考え方がより経営者的な、起業家の視点になるでしょうし、就職するにしても、「自分の強み」を戦略的にピックアップすることができるようになると思います。「自分の強み」や「価値」は、「立派だから」「優秀だから」「技術があるから」という視点で考えてしまって、「何もない」「分からない」という子がとても多いので。
午前中のお金の勉強は、いまひとつの手応えだったけれど、実際の自分たちのケースに当てはまった途端、「そういうことか!」と、何かが繋がったようで、無駄なことってないな、と思いました。
9/20(日)に、新しいミューレで、子どもたちが企画したオープニングセレモニーを開催します。どなた様も来ていただけます。ぜひ、足を運んで欲しいです。
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